日焼け止め数値の真価が問われるオーストラリア
- madoka natsume
- 30 分前
- 読了時間: 4分
まもなく東京の梅雨が明けるというニュースを聞きました。
紫外線がピークを迎える日本では日焼け止めはもちろん、日傘、帽子、サングラス、UVカットのカーディガンなどあらゆる“UVケア”をするのが常識。
紫外線大国のオーストラリアでは、国をあげて紫外線から肌を守る対策が打ち出されています。
学校での啓もう活動の効果があって若年層では日焼け止めを塗る習慣が根付いているようですが、40代、50代以上になると何も塗らずに外出する人も少なくありません。
南半球になるオーストラリアの季節は冬。
紫外線レベルは低いといってもゼロではありませんから、もちろん私は日焼け止めを塗っています。
そんな中、ショッキングがニュースが飛び込んできました。
きっかけは、オーストラリアの消費者団体「CHOICE」が行った、日焼け止めの大規模な独立テスト。
CHOICEは広告もスポンサーも受けず、60年以上にわたって消費者の立場から製品を評価している団体です。
そのCHOICEが、オーストラリアでよく売られている日焼け止め20製品を対象に、SPF(紫外線防御指数)が本当に表示どおりなのかを調べたのです。
検査はとても厳密なもので、国際基準に基づいた方法で行われました。
中身をガラス瓶に詰め替えてブラインドテストを行い、紫外線にどれくらい肌が耐えられるかを測定して、実際のSPF値を導き出します。
しかも、最初の検査で疑問が出た製品については、別の国のラボで再検査も実施。
ここまでやるのかと感心するほど、手間を惜しまないテストでした。
その結果に言葉を失いました…。
なんと20製品のうち、SPF表示どおりだったのはわずか4つ。
残りの16製品は、パッケージに書かれている数字を大きく下回っていたのです。
中でも一番衝撃だったのは、「SPF50+」と書かれたある人気ブランドの製品が、実際にはSPF4〜5しかなかったという結果。
この製品については、CHOICEが懸念を持ち、別ロットをドイツのラボに送り再検査したのですが、それでもSPF5という結果でした。
もちろん、こうした結果に対して、メーカー側からも反論がありました。
「サンプルの取り違えではないか」「自社ではきちんとSPF50+と認定された」といった声も寄せられています。
特にウルトラヴィオレットというブランドは、「科学的に見てもSPF4というのはあり得ない」と強く主張しており、「販売開始以来、日焼けしたという苦情は一度もない」とも。
メーカーが提出した証明書では、きちんと規格を満たしているという結果になっているものも多く、どうしてこれほど違いが出るのかは、正直なところ難しい問題です。
ただCHOICEとしては、「メーカーが自社のデータだけで合格を証明するのではなく、第三者による独立した検査がもっと必要なのではないか」と、警鐘を鳴らしています。

ちなみに、合格したのは以下の4製品:
※(カッコ)数字はCHOICEが検査した結果の数値です。
ラ ロッシュ ポゼ、ニュートロジーナは日本で展開していますが、上記製品は国内販売はありません。
いずれもよくオーストラリアでは認知度の高いブランドです。CHOICEの検査では、メーカー数値よりも
高いことが特筆すべきポイント。
一方で、身近なスーパーや薬局で買える定番ブランドの多くが不合格だったというのも、事実…。
ただ、ここで誤解してはいけないのは、「SPFが低い=使ってはいけない」ではないということ。CHOICEも「どんな日焼け止めでも、塗らないよりはずっといい」と伝えています。
価格や香りだけでなく、信頼できる情報があるかどうか、ラベルに書かれている内容が実際に検証されているかどうか、そんな視点で選ぶことが必要です。
でも、いちばん大切なのは、「日焼け止めに頼りすぎないこと」かもしれません。
SPF50だって、100%紫外線をカットできません。冒頭でお話したように、帽子をかぶる、日傘をさす、日陰を選ぶ、サングラスをかけるなど、こうした意識の積み重ねが、肌を守ってくれるのだと思います。
日本はこれからが夏本番。
日焼け止めだけではなく、紫外線に対する知識と工夫をしてしっかり肌を守ってくださいね!
より詳しい情報を知りたいなら、以下のサイトをチェックしてください。
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